剥楽は浸透型木材保護塗料(キシラデコール・キシラデコールフォレステージ・キシラデコールアクオステージ)と造膜型木材保護塗料(キシラデコールコンゾラン)のどちらも剥離することができます。
特長
- 本剤は主に木材表面に形成される塗膜に対して有効な剥離剤です。
- 屋外木部の塗料塗り替え時の前処理にご使用いただくと、再塗装の仕上がりが良くなります。
- 適度な粘性を有し、木材内部への浸透が少ないため、木肌への影響を押さえることができます。
- 木肌の荒れや目痩せ(体積収縮)を起こしにくく、見かけ上白木に近い状態に戻すことが可能です。
用途
- 木材保護塗料 ( 浸透・造膜型 ) の塗膜剥離
※UV 塗料 ( 紫外線硬化塗料 ) は剥離できません。
標準仕様
前準備
①周辺養生
- 剥離対象以外の箇所や剥離作業周辺で本剤が飛散する可能性があるところは、ポリエチレン製もしくはポリプロピレン製養生シートまたは養生テープ等で養生して接触しないようにしてください。
- 施工箇所以外の場所に誤って剥離剤が付着した場合は、その都度速やかに水洗い、または付属のクエン酸などで中和してください。(植栽などに付着すると枯れることがあります。)
② 剥離剤「剥楽」の準備
- 使用前に容器をよく振ってください。
- 施工箇取り出し容器に必要量のみ小分けしてください。
- 取り出し容器は、ポリエチレン製もしくはポリプロピレン製の容器をご使用ください。
③ 試験施工
- 予め小面積で試験施工を実施し、剥離状況(塗布量・塗布回数・塗布後の放置時間など)を確認してください。
施工手順
①下地処理
- 剥離対象が浸透型塗料の場合
剥離剤の余分な吸収・浸透を抑える為、事前に施工面を水で湿らせる。 - 剥離対象が造膜型塗料の場合剥がれやすくする為、サンドペーパー(#60~#120)で目荒らしを実施する。
②剥離剤の塗布
- ナイロン製刷毛やローラー等を用いて適量(標準塗布量)を塗布する。
- 数分放置して、再度塗布する。
※エアレス、スプレーでの塗布はしないでください。
③塗布後の放置
- 剥離剤が十分に浸透し、塗膜が軟化または溶解するまで放置する。
※木材に対して、剥離剤が乾燥または吸い込みがある場合などは再度塗布してください。
※気温に応じて放置時間は異なります。
④剥離の確認
- ウエス等で拭き取るか、ヘラ等を使って塗膜の剥離状態(軟化または溶解)を確認する。
※剥離状態が不十分な場合は、剥離剤を再度塗布してください。
⑤塗膜の剥離
- ヘラやブラシ等で塗膜を剥離する。
※除去後の剥離塗膜及び剥離剤は、可能な限り回収してください。
※塗膜と剥離剤は回収して下さい。回収した剥離塗膜は、産業廃棄物として処理して下さい。
※上記方法で塗膜が剥離しきれなかった場合は、3~4の工程を繰り返して下さい。
⑥洗浄処理
- 水道水をかけながら木目に沿ってナイロン製ブラシで擦り洗う。
※高圧回転ブラシを使用すると、作業時間の大幅な短縮が図れます。
※剥離対象面の凹部に残存した塗膜と剥離剤を除去してください。
⑦中和剤塗布
- 剥離対象面が濡れている状態で中和剤(クエン酸水溶液)を塗布する。塗布後、30分程度(中和反応に要する時間)放置する。
※中和剤を塗布することで剥離剤による変色が目立たなくなります。
※中和剤はクエン酸5%水溶液を使用。
※乾燥した面に塗布すると色ムラが生じることがあります。
⑧すすぎ洗い
- 木肌が荒れないよう注意して高圧水で洗い流す。
- 高圧水が使用できない場合は、水をかけながら木目に沿ってナイロン製ブラシで擦り洗う。木地の毛羽立ちがある場合、サンドペーパー等で木地調整を行って下さい。
標準塗布量と放置時間の目安
塗膜の種類 | 【剥楽】 標準塗布量(㎏/㎡) | 放置時間の目安 ※気温により異なる | ||
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キシラデコール | 油性 | 浸透型 | 0.15 ~ 0.3㎏/㎡ | 1~30分 |
キシラデコールフォレステージ | 油性 | 浸透型 | 0.15 ~ 0.3㎏/㎡ | 1~30分 |
キシラデコールアクオステージ | 水性 | 浸透型 | 0.2 ~ 0.3㎏/㎡ | 10~30分 |
キシラデコールコンゾラン | 水性 | 造膜型 | 0.2 ~ 0.3㎏/㎡ | 30~120分 |
*塗膜の劣化具合により軟化・溶解時間は異なります.
クエン酸5%水溶液(中和剤)の作り方
- クエン酸5%水溶液:クエン酸0.1kgに対して水2Lを混ぜる。
- 同梱包の中和剤はクエン酸0.1kg(サンプル)です。必要であれば、薬局やネットなどで購入してください。
※クエン酸5%水溶液はpH2(強酸)です。取扱い時には保護具等を着用してください。
- 残った剥楽を廃棄する場合
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託してください。 - 剥楽:クエン酸5%水溶液=1:1の割合で混ぜ合わせることにより、弱アルカリ性(pH12前後)となります。
※中性にする場合は、剥楽:クエン酸5%水溶液=1:2.5の割合で混ぜ合わせることにより、中性に近く(pH6前後)になります。