NETIS登録番号:KK-240023-A
コンクリート接合部のひび割れやはく落などのリスクを低減
現在トンネル工事の中で、トンネルの覆工コンクリート打継部におけるコンクリートのひび割れやはく落などのリスクが問題視されています。 原因の1つとして、コンクリートの乾燥収縮や温度変化によって打継部に生じる引張応力が考えられ、このような不具合はトンネル利用者の安全面に影響を与えかねません。
そこで打継部のコンクリート同士の付着を防ぐことで、不具合リスクを低減することができる「セパリートコート」を開発しました。
開発の背景 – 覆工コンクリート打継部における不具合リスク
山岳トンネルの覆工コンクリートの打設方法
山岳トンネルの建設方法は主に、切削作業、支保工作業、覆工コンクリート作業に分けられます。その中でも覆工コンクリート作業は以下の手順によって進められます。
コンクリート接合部のひび割れやはく落などのリスクを低減
この打継部において、コンクリートの硬化収縮や温度変化により引張応力が蓄積してしまい、引張応力に耐えきれなくなったコンクリートにはひび割れの発生やコンクリート片の剥落等の不具合が生じると考えられています。
そこで上記の不具合リスクへの対策として開発したのが「セパリートコート」です。セパリートコートは先打ちコンクリートと後打ちコンクリートを付着させないことによってひび割れ・剥落を抑制することができます。
セパリートコートの特長
- 打継部の付着を防止
付着の防止によりひび割れなどの
不具合リスクを低減 - 塗布作業が容易
施工が簡便で粗面でも
安定した効果を発揮
- クリヤー色
クリヤー色のため
外観に影響がない - 水中環境にも適用可能
水路トンネルなど
没水環境でも影響がない
打ち継ぎ部の付着を防止
セパリートコートはシランを主成分とし、コンクリートとシロキサン結合の網目構造を形成するため、先うちコンクリート硬化後にセパリートコートを塗布すると、先打ちコンクリートの表面と表層深さ数㎜の含浸域に縁切り効果が付与されます。その上に後打ちコンクリートを打設しても、水などのコンクリート成分の侵入を防ぎ、先打ちコンクリートとの付着を防止します。
塗布作業が容易
セパリートコートは刷毛やローラーによって塗装します。塗るだけで対策ができるため、標準的な2日に1回の打設の進捗を保持し、覆工作業に支障なく適用できます。打継部のコンクリートには表面気泡や妻板の凹凸跡が存在しますが、セパリートコートは含浸性が高いため、粗面でも安定した縁切り効果を発揮します。
仕上がり外観に影響がない
塗装直後は濡れ肌になり、乾燥直後はクリヤーになるため、仕上がり外観に影響がありません。
水中環境にも適用可能
セパリートコートを塗布したコンクリートを水中に浸漬しても、未塗布と同等の水質であることを確認しました。そのため水路トンネルなどの没水環境で適用しても影響がありません。