コンクリートの耐久性向上を目指して
高度成長期に大量に造られたコンクリート構造物の維持管理が重要課題となっています。新設、既設にかかわらず構造物の耐用年数をより長くする様々な工法が採用されています。その中でけい酸塩系表面含浸材は施工性の高さ、経済性から急激に施工例が増加しています。
用途
新設、および断面修復後のコンクリート構造物および既設構造物の耐久性向上にお使いください。
使用方法
Osmoは湿潤状態(目視状況:全体に濡れ色が残っている状態 指触状況:わずかに指が湿る程度:含水率約7%)で原液100g/m2を2回塗布(計200g/m2)してください。(使い切り)噴霧、刷毛、ローラーで塗布してください。
特徴
コンクリート表面に塗布したOsmoはコンクリート表層部の空げき、微細クラックから内部に浸透します。そしてコンクリート中の水酸化カルシウムと反応して、セメント水和物に組成の近いC-S-Hゲルを生成し、コンクリート表層部を緻密化します。緻密化することにより外部からの水、炭酸ガス等の劣化要因の侵入を抑制しコンクリートの耐久性を向上させます。
Osmoは反応型けい酸塩系表面含浸材です。コンクリート中に残存している未反応の薬剤は水分が供給されると再度溶解し、水酸化カルシウムと反応します。水酸化カルシウムとの反応を繰り返すことにより、長期的に空げきを充てんすることができます(再反応性)。また反応型ではありますが、成分にけい酸リチウムを配合する事により固化型の性質を併せ持ち、限定的ではありますが中性化の進行した既設構造物にも性能を発揮します。
二酸化炭素濃度5%にした中性化槽内で2週間中性化を促進させた供試体を用いて、JSCE-K572-2012透水量試験に準拠した試験の結果、透水抑制率は32.9%です。(中性化が進行しているが、断面修復が必要ではない状況のコンクリート構造物にはOsmo-kk[固化型]が有効です。)
Osmoを単独で使用できる範囲は潜伏期(外観上の変状が見られず、鋼材のかぶり位置における塩化物イオン濃度が腐食発生限界濃度(1. 2kg/m3)に達するまでの期間:鉄筋が腐食していない状態)までです。それ以上劣化が進行している場合は塩化物イオンの除去や断面修復等が必要です。(コンクリートライブラリー137、27頁)
アルカリシリカ反応による膨張抑制を目的としたけい酸塩系表面含浸材の利用はコンクリートライブラリー137の適用対象としていません(16頁)。
製品概要【エルオズモ反応型SG】
反応型けい酸塩混合型コンクリート表面含浸材【新設・既設総合型】
けい酸リチウム・けい酸ナトリウム・けい酸カリウム配合
けい酸アルカリ金属塩を主成分とするアルカリ性・無色透明・無機系の液状材料です。
表層部が中性化したコンクリートにも【L-OSMO固化型KK】には及びませんが、改質効果があります。
コンクリート表層部(内部)を緻密化し、劣化因子の侵入を抑制します
0.2㎜以下のひび割れを閉塞します・長期間改質効果が期待できます
潜在的な補修対象の0.2㎜以下のひび割れを【L-OSMO反応型SG】で充填することで劣化の進展を抑制し、ライフサイクルコスト低減を期待できます。
水酸化カルシウムとの再反応性があり、長期間改質効果が期待できます。
施工後の外観の変化がなく、コンクリートの変状を目視で確認できます
再施工が容易・他工法との併用が可能です
コンクリート表層部を副作用なく改質できます。
再施工時に旧保護層を斫るなどの作業は不要です。
低予算で予防保全・長寿命化対策ができます
他の補修工法に比べ手軽に施工できコストパフォーマンスもよい材料です。
施工に際して特別な資格等は不要です。早く簡単に施工できます。
2023年製品ラインナップ増により「OSMO」→「L-OSMO反応型SG」に名称変更
NETIS:HK-070015-V(掲載終了技術)
特許第4484872号
農林水産省 農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル【開水路編】
けい酸塩系表面含浸工法(反応型)に使用する材料・工法の品質規格値(案)適合品